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Program Notes

バッハ/ブゾーニ:

シャコンヌ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より

シャコンヌとは16世紀初めにスペインで普及した3拍子の舞曲の様式を示すが、バロック時代を通して、オスティナート変奏と呼ばれるある一定の和声進行を何度も繰り返しながら変奏していく形式として用いられるようになった。1拍目に休符がとられ、2拍目に付点がおかれるリズムが特徴的である。

1720年、バッハは全6曲の無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータを作曲しており、中でも最も有名なのがパルティータ第2番の終曲に置かれたシャコンヌである。密度の高い対位法と精巧な和声を用い、ヴァイオリンの4本の弦で計り知れない広がりを見せる。

イタリアの巨匠ピアニストであったブゾーニは熱心なバッハ研究家でもあり、バッハの作品の校訂や編曲を多数手がけてきた。このシャコンヌでは原曲にない音やテーマまでも大胆に書き加えらているため、当時大いに議論を呼んでいたが、超人的な技巧のピアニストであった彼によって、この作品がピアノという楽器の可能性を最大限に活かした編曲作品となっていることは疑いない。

2018年3月 河端梢ピアノリサイタル

​©︎2018 Kozue Kawabata

 

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