top of page

Program Notes

シューベルト:

ピアノソナタ 「幻想」ト長調 D894 

I. Molto moderato e cantabile

II. Andante

III. Menuetto. Allegro moderato – Trio

IV. Allegretto

批評家としても名高いシューマンが“形式的にも精神的にも完璧である”と絶賛した傑作であり、シューベルトが生きている間に出版された最後のソナタである。

第1楽章はカンタービレと指示されているように非常に歌唱的で叙情的な主題になっており、展開部ではその主要主題が激しい短調となり展開される。第2楽章はロンド形式で書かれ、ゆったりとした詩的な冒頭主題と鋭くダイナミックな間奏楽句とが交互に入れ替わる。第3楽章のメヌエットはオーストリアの民俗舞踊であるレントラーのようなリズムで奏でられ、中間部のトリオでは可憐で透き通るようなメロディーが印象的だ。第4楽章は2/2拍子のロンド形式で書かれ、茶目っ気のある軽やかな楽章となっている。ロンド主題を挟んで現れるハ短調とハ長調は悲しくも美しい旋律で、楽章に情緒を与えている。

2018年3月 河端梢ピアノリサイタル

​©︎2018 Kozue Kawabata

 

»曲目解説トップへ戻る

bottom of page